本研究は, 歯学部附属病院における放射線オーダリングシステムに関するものであり, 以下にその研究開発の導入成果をまとめる.(1)本オンラインオーダリングシステムは, 放射線検査依頼から医事会計までの一貫した処理を可能にし, 従来の手書き伝票は不要となった.また, コメント入力による撮影指示等, 正確な撮影内容の把握ができ, 手書き伝票による撮影依頼の不備も解消された.(2)主な利用者である医師の習熟度に関係なく, 検索画面の中から選択するメニュー方式を採用し, 操作性の簡便化を図った.(3)放射線室の受付時にタックシールが出力されるので, これまでの手書きに比べて, 業務の合理化, 正確さを図ることができた.(4)妊娠および感染症の有無の入力は, 放射線検査における患者の安全や, 院内感染の防止に役立っている.(5)放射線検査の約半数を占める口内法のオーダ入力法を図案化した画面とし, 混合歯列の入力を含め, テン・キー, およびA〜Eのキーで入力でき, 操作性の簡便化を図った.(6)口内法におけるフィルム枚数の自動計算システムは, 満足できるレベルの計算システムであり, 放射線室での枚数の変更もなく, 実施入力作業を激減することができた.以上, 本院のシステムは, 放射線オーダ業務の円滑化, すなわち, 患者受付から診療請求にいたるまで, 発生源入力によるデータの一元化によって, 医療業務の合理化を推進するとももに患者サービスの向上, および診療の充実にも寄与するものである.なお, 本論文の要旨は, 第48回日本放射線技術学会総会において発表した.