日本放射線技術学会雑誌
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119. 診断領域 X 線における 1cm 線量当量の検討(管理技術-被曝低減)
嶋崎 宏紀稲垣 信司山口 幸三鈴木 昇一藤井 茂久浅田 恭生折戸 武郎
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1994 年 50 巻 2 号 p. 238-

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抄録

(1)高管電圧X線によるファントム内での濃度がピークを示す深さは表面ではなくて表面から1〜2cmの深さのところで1〜2%の濃度上昇となった。(2)線質が硬くなるほど、照射野が広くなるほど体内線量の増加がみられた。これらのことから、診断領域X線においても患者の体内線量分布は照射野、線質により変化をするために、患者の被曝線量を求めるとき、照射線量および表面吸収線量を実測してその値から被曝の程度を安易に判断することは危険であると思う。管電圧はもちろんのこと、その照射野によって患者の内部線量の増加が予想以上に深部まで生じているために、X線撮影時のむやみに大きな照射野および患者被曝線量の評価は慎重に行うべきであると考える。

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© 1994 公益社団法人 日本放射線技術学会
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