日本放射線技術学会雑誌
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147. Gd-DTPA の X 線用陽性造影剤としての可能性 (第一報)(撮影技術-造影剤・大腸検査他)
荒尾 信一北山 彰天野 貴司日地 啓夫西村 明久古城 剛沼口 健治長瀬 尚巳成廣 直正浮田 智子角場 幸記石井 幸志
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1994 年 50 巻 2 号 p. 266-

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抄録

(1)造影剤濃度が同一濃度の場合はウログラフィンが高吸収を示し、Gd-DTPAのX線吸収はウログラフィンの濃度が約1/2〜1/4程度に希釈されたものと同程度と考えることができる。(2)ガドリニウムのK吸収端(50.2keV)の影響によりGd-DTPAは50keVのエネルギー付近で特異的なX線の吸収が見られ、その影響はX線管電圧が70kVのときよりも90kVのときの方がより顕著であり、Gd-DTPAを使用する際には高いX線管電圧を使用した方が有効であることが示唆された。(3)Gd-DTPAは、造影剤濃度が低くても写真コントラストを得ることのできる濃度分解能に優れたDSA等のディジタル画像装置を用いれば、十分X線用陽性造影剤として使用可能であると思われ、ヨード過敏症等が原因でX線造影検査が行えない場合にもその代用として使用し検査することが可能となると考えられる。

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© 1994 公益社団法人 日本放射線技術学会
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