日本放射線技術学会雑誌
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MRの標準化 : 安全性,検査方法,および診断リポートの作成まで : 脳神経放射線科領域における米国での現状(第59回総会学術大会)
安西 好美蓑島 聡
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2004 年 60 巻 6 号 p. 762-771

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抄録

1973年にニューヨークの生化学の教授,Dr. Paul Lauterburが核磁気共鳴法を用いた画像を発表してから30年後の昨年,英国のDr. Peter Mansfieldとともに彼がノーベル賞を受賞したことは,今でもわれわれの記憶に鮮明に残っている.事実,MRの開発と臨床応用は,20世紀の医学の発展に最も貢献した技術の一つに挙げられている.一方で,近年の目覚ましいMRの開発と普及に伴い,MRの検査法法に施設間でのばらつきができてきた.この問題は,機械の磁場の強さや,どのような撮像法を用いるかということに留まらず,患者に対する安全性の確保や,画像の読影状況など,多因子を含む.米国では,MRのみでなく,種々の放射線検査を標準化して,検査の質をできるだけ統一しようとする動きがある.米国放射線学会(RSNA)や米国神経放射線学会(ASNR)もこれらに同調しているが,主として,放射線検査の質の管理を重要視しているのは,American College of Radiology (ACR)である.今回は,米国におけるMRの標準化に関するガイドラインの紹介を,脳神経放射線領域を中心に報告する.

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© 2004 公益社団法人 日本放射線技術学会
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