日本放射線技術学会雑誌
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臨床技術
肝臓MRIにおけるハイパスフィルタリングを用いた深層学習によるモーションアーチファクトの軽減
三尾 素平 田畑 成章豊福 竜生中村 裕範
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2024 年 80 巻 5 号 p. 510-518

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抄録

【目的】ハイパスフィルタリングを用いた深層学習によってモーションアーチファクトが軽減できるか検討する.【方法】当院で肝臓のMR検査を実施した69名を対象とした.モーションアーチファクトのない画像(non-artifact image: NA画像)からモーションアーチファクトを模擬した画像(simulated motion artifact image: SMA画像)を作成して深層学習に用いた.得られた学習モデルから出力されるモーションアーチファクト軽減画像(motion artifact reduction image: MAR画像)のモーションアーチファクト軽減効果の検証は,構造的画像類似性(structural similarity index measure: SSIM)とコントラスト比(contrast ratio: CR)で行った.また,視覚評価においてモーションアーチファクトの軽減と画像の鮮鋭度の評価を行った.【結果】SSIMはMAR画像で0.882,SMA画像で0.869となった.NA画像とMAR画像のCRには統計学有意差は認められなかった.視覚評価では,MAR画像のモーションアーチファクト軽減および鮮鋭度の改善が認められた.【結語】本研究の学習モデルは肝臓のMR画像の鮮鋭度を低下させずにモーションアーチファクトを軽減できることが示唆された.

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