日本放射線技術学会雑誌
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中央断面定理に基づいたCT画像三次元NPS解析に関する検討
成田 啓廣 大久保 真樹深谷 貴広酒井 健一能登 義幸
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論文ID: 2022-1217

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抄録

【目的】一般に,CT画像のNPSは1枚のノイズ画像から測定される.しかし,CT画像は三次元(3D)のボリュームデータであることから,3Dのノイズ特性(3D-NPS)を有する.本研究では,さまざまなアプローチにより算出したNPSの関係を,中央断面定理に基づいて明らかにし,実際のノイズ画像を用いた解析により実証する.【方法】3Dノイズデータを体軸方向に投影し,2Dフーリエ変換(FT)して算出したNPSをNPSz-projectionfx, fy)とした.3Dノイズデータから3D-FTにより算出したNPSを3D-NPS(fx, fy, fz)とした.また,1枚のノイズ画像から2D-FTにより算出したNPSを2D-NPS(fx, fy)とした.ここで,fx, fy, fzx, y, zに対応する空間周波数である.NPSz-projectionfx, fy=0)と3D-NPS(fx, fy=0, fz=0)が一致し,2D-NPS(fx, fy=0)と3D-NPS(fx, fy=0, fz=0)は一致しないことを,中央断面定理に基づいて説明した.この関係を証明するために,CT画像から算出したNPSを比較した.【結果】3D-NPS(fx, fy=0, fz=0)は,NPSz-projectionfx, fy=0)と一致し,2D-NPS(fx, fy=0)とは一致しなかった.【結語】中央断面定理に基づき,さまざまなアプローチによって得られるNPSの関係を明らかにした.この関係を理解し,適切なノイズデータの取り扱いおよびNPS測定法を選択することが重要である.

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© 2022 公益社団法人日本放射線技術学会
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