論文ID: 2023-1365
【目的】半導体検出器搭載PET/CT装置の感度・計数率特性の向上により,画質を保ちつつ従来より低投与量での検査が期待される.本研究では,通常投与量による被検者の収集データのイベント数を間引いて得た仮想低投与量画像の視覚的・物理的評価により,投与量低減の可能性を検討した.【方法】当院で投与量3.5 MBq/kgでBiograph Vision(Siemens Healthineers)によりCBM法(寝台移動速度1.1 mm/s)で全身18F-FDG PET検査を行った被検者21名を対象に,リストモードデータのイベント数を100%から6.25%までの5段階に調整し,仮想低投与量画像を再構成した.仮想低投与量画像の視覚評価および100%データ画像とのSUVmaxの差の評価を行った.【結果】25%データ画像は視覚的に読影可能と評価され,100%データ画像とのSUVmaxの差は9.8±13.5%であった.【結語】Biograph Visionでは従来の25%まで投与量を低減できる可能性が示された.