論文ID: 2024-1503
【目的】CT脳灌流解析(CTP)のサマリーマップは,従来の灌流マップから虚血コア,低灌流領域,および正常組織を推定した組織マップで,血栓回収療法の適応判断に利用されている.CTPは被ばくが多い検査であるが,線量を低減させると灌流マップが変化するため,サマリーマップも変化する可能性がある.本研究はサマリーマップのノイズ特性を明らかにする.【方法】ディジタルファントムおよび臨床のCTPにさまざまな量のノイズを付加し,Vitrea(キヤノンメディカルシステムズ,栃木)で解析を行った.ノイズによるcerebral blood volume(CBV),time to maximum(Tmax),および虚血コアと低灌流領域の量の変化を調査した.【結果】ノイズが増大すると,CBVは増加,Tmaxは減少,虚血コアと低灌流領域の量は減少した.その程度は組織が持つCBV,Tmaxに依存した.【結語】サマリーマップはノイズ量と血流の多寡によって変化した.低線量下では血栓回収療法の判断基準が通常線量とは異なる可能性がある.