抄録
症例は24歳, 男性. 元来健康であったが, 突然腹痛が出現し腸閉塞の診断にて入院となった. 開腹手術の既往はなかった. 腹部単純X線ではニボーを伴う小腸ガスがあり, 腹部CT検査では右上腹部に拡張のない小腸の集積像を認めた. イレウス管による小腸造影にて上部空腸が右上腹部へと偏位していた. 内ヘルニアによる絞扼性イレウスと判断し緊急手術を行った. 横行結腸間膜と後腹膜との間に5cm大のヘルニア門が存在し, 右側横行結腸間膜下に空腸が嵌入していた. 結腸間膜窩に生じた右傍十二指腸ヘルニアと判断した. 空腸に血行障害がなかったため還納した後, ヘルニア門を閉鎖した. 結腸間膜窩に生じた右傍十二指腸ヘルニアは極めて稀あり, 若干の文献的考察を加え報告する.