2007 年 68 巻 3 号 p. 557-561
症例は36歳の女性. 出産を契機に全身性エリテマトーデス (systemic lupus erythematosus : SLE) を発症, 治療経過中に両側肺化膿症を合併した. 左肺病変は舌区域気管支の胸膜腔への開存による気胸となり, さらに膿胸へと進展した. 胸水培養からはStaphylococcus aureus (MRSA) が検出された. 胸腔ドレーンを挿入し, 抗生剤による洗浄を繰り返したが改善を認めず, 当科を紹介された. 手術を施行し, 術後9病日に胸腔ドレーンを抜去, その後退院した. SLEに合併した膿胸に対する1手術例を報告する.