日本臨床外科学会雑誌
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症例
噴門側胃切除術後残胃の癌の3例
大場 大松木 伸夫鰺坂 秀之伊井 徹三輪 晃一
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2007 年 68 巻 4 号 p. 850-855

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抄録
1987年4月から2005年3月までの間に, 当院で行われた上部胃癌に対する根治切除が可能であった神経温存噴門側胃切除症例28例の1~14年 (中央値5.4年) の追跡で, 手術後それぞれ4年, 5年および9年を経過して発見された残胃の癌を3例経験した. いずれの症例も早期癌として発見され, うち2例がITナイフによるESD (endoscopic submucosal dissection) で根治切除が可能であった. 初回手術の再建法は食道胃吻合を選択し, 幽門形成はなし. 噴門側胃切除術後の残胃の癌の発生メカニズムや臨床病理についてはいまだ不明の点が多いが, その発生リスクは決して低くないものと思われる. 幽門側胃を温存することで目指した良好な術後QOLを維持するためにも, 残胃の正確な内視鏡観察が可能となる再建術式の工夫と少なくとも年に1回の継続的な内視鏡的サーベイランスが重要である.
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© 2007 日本臨床外科学会
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