日本臨床外科学会雑誌
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原著
腹膜播種性転移を伴う大腸癌の治療成績と治療方針
横溝 肇吉松 和彦大澤 岳史梅原 有弘藤本 崇司渡邊 清大谷 泰介松本 敦夫板垣 裕子小川 健治
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2008 年 69 巻 10 号 p. 2468-2473

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抄録
腹膜播種性転移を伴う大腸癌症例を検討し,治療方針を明らかにすることを目的とした.初発大腸癌の6.9%に腹膜播種性転移を認め,そのうち予後の明らかな90例を対象とし,臨床病理学的因子と予後につき検討した.腹膜播種性転移の程度別の生存期間中央値はP1で21.0カ月,P2で8.4カ月,P3で3.4カ月であった.非治癒因子数別では,腹膜因子のみの予後が良好であった.根治度別では根治度BがCに比べて良好であった.原発巣切除の有無別では切除例が良好であった.化学療法の有無別では施行例が良好であった.原発巣切除および化学療法の有無の組み合わせでみると,共に施行した例の予後は他に比べ良好で,共に施行しなかった例は他に比べ不良であった.多変量解析では根治度,原発巣切除の有無,化学療法の有無が独立した因子であった.腹膜播種性転移を伴う大腸癌の治療は,原発巣を切除し,化学療法を行うことが有効と考えられる.
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© 2008 日本臨床外科学会
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