日本臨床外科学会雑誌
Online ISSN : 1882-5133
Print ISSN : 1345-2843
ISSN-L : 1345-2843
原著
急性虫垂炎の診断における腹部CT検査による虫垂径測定の有用性
千須和 寿直田内 克典大森 敏弘森 周介岸本 浩史小池 秀夫樋口 佳代子宮澤 正久
著者情報
ジャーナル フリー

2008 年 69 巻 10 号 p. 2462-2467

詳細
抄録
目的:急性虫垂炎の診断におけるCTを重視したプロトコールの正確性と虫垂径の測定の有用性の評価.
対象と方法:2002年1月から2004年6月の間に急性虫垂炎と診断した連続した239人を検討した.CTでの診断基準は6mm以上の虫垂径または2次性の炎症変化とした.病理学的な診断基準は筋層以上の炎症細胞浸潤とした.
結果:239人のうち235人がCTを受けていた.222人が虫垂切除術を受け,205人が病理学的に急性虫垂炎と診断された.CTで虫垂径が6mm以上あった200人中193人が病理学的に急性虫垂炎と診断された.手術症例の陽性的中率は92.3%(205/222)で,CTで虫垂径が6mm以上あった手術症例の陽性的中率は96.5%(193/200)であった.また保存的治療症例の35.3%(6/17)が再発し,10mm以上で再発率が50%(5/10)と高かった.
結論:CTは急性虫垂炎の診断に有用である.
著者関連情報
© 2008 日本臨床外科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top