日本臨床外科学会雑誌
Online ISSN : 1882-5133
Print ISSN : 1345-2843
ISSN-L : 1345-2843
症例
内視鏡的胃瘻造設部に転移した下咽頭癌の1例
黒部 仁吉田 和彦大木 隆生矢永 勝彦
著者情報
ジャーナル フリー

2008 年 69 巻 2 号 p. 298-301

詳細
抄録
内視鏡的胃瘻造設術(percutaneous endoscopic gastrostomy:PEG)は経口摂取困難な頭頸部領域癌や切除不能食道癌に対しても栄養投与経路として広く普及している.症例は59歳,男性.嚥下困難,呼吸困難を伴う進行性下咽頭癌のため,放射線療法時の栄養投与経路としてPEGをpull法で施行した.PEG造設3カ月後に胃瘻部に肉芽様の隆起を認めた.生検の結果は扁平上皮癌,下咽頭癌の転移と診断した.頭頸部領域癌症例に対するPEG後の胃瘻部位への癌転移は欧米で55例の報告がなされているが,本邦での報告は2例と少ない.成因として手技に伴う胃瘻部位への直接のimplantationが最も考えられる.稀な合併症ではあるが,PEG施行時には留意する必要があり,舌癌,咽頭癌などの患者に対してはpull法によるPEG以外の造設法を検討する必要がある.
著者関連情報
© 2008 日本臨床外科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top