抄録
症例は56歳,女性.腹部膨満感を主訴に近医内科を受診し,腸閉塞と診断され,入院した.上部消化管内視鏡検査および生検で4型胃癌と診断され,下部消化管内視鏡検査で横行結腸癌が疑われていた.内科入院9日目に腹痛が出現し,精査で消化管穿孔による汎発性腹膜炎と診断され,当科に入院した.開腹すると横行結腸浸潤を伴う4型胃癌で,胃体部前壁が穿孔していた.胃全摘,横行結腸合併切除を行った.病理組織診断は低分化腺癌で,T4,N1,H0,P1,CY0,M0,Stage IV,根治度Bであった.術後横隔膜下膿瘍,膵液瘻を合併したが,保存的に軽快した.術後36日目に食事を開始し,化学療法施行後,術後52日目に退院した.4型胃癌穿孔は稀であり,他臓器合併切除を伴う1期的切除の報告は少ない.4型胃癌穿孔患者では,全身状態,癌の確定診断の有無,根治性,予後,術後QOL等を含めて評価し,術式を決定すべきである.