2008 年 69 巻 2 号 p. 355-359
症例は39歳,男性.35歳時に胃癌で幽門側胃切除術が施行された.病理診断は0-IIc,T1(m),N1,M0,tub2>sig,ly0,v0,stage IBであった.術後4年目に,ALPの上昇とCA19-9の上昇を認めた.種々の検査で腫瘤性病変を認めなかったがALPとCA19-9はその後も上昇した.原発不明癌として精査をすすめたところ,PET-CTで第二胸椎と左腸骨に局所的集積が指摘され,骨シンチで全身骨のびまん性骨転移が認められた.術後4年6カ月目に胃癌播種性骨髄癌症の診断で化学療法を開始したが,術後4年11カ月目に癌死した.