日本臨床外科学会雑誌
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症例
急性虫垂炎発症にて判明した陳旧性日本住血吸虫症の1例
泉澤 祐介亀田 久仁郎久保 章杉浦 浩朗長嶺 弘太郎竹川 義則
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2008 年 69 巻 8 号 p. 2016-2019

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抄録
症例は75歳,男性.平成18年5月,右下腹部痛を主訴に当科を受診した.血液検査で白血球,CRPの著明な上昇を認め,腹部CTで石灰化を伴う腫瘤陰影を認めたため,急性虫垂炎と診断し,緊急手術となった.開腹所見では腫大した虫垂を認め,虫垂切除術を施行した.病理組織所見では蜂窩織炎性虫垂炎の診断で,粘膜下から漿膜下にかけて変性,石灰化した日本住血吸虫卵を認め,陳旧性の肉芽腫像と考えられた.術後の便集卵検査では異常を認めず,ELISA法でも抗虫体・虫卵抗体価陰性であったため陳旧性日本住血吸虫症と診断し駆虫は行わなかった.医中誌で検索したかぎり,本邦では1980年から2006年までに陳旧性日本住血吸虫症合併虫垂炎は19例の報告が認められた.国内では1978年を最後に新規の日本住血吸虫症患者は発生していないが,陳旧性症例は勿論,輸入症例も報告されており,日常臨床において留意しておくべき疾患であると思われた.
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© 2008 日本臨床外科学会
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