抄録
目的:大腸癌肝転移に対する肝切除後の予後につき,検討した.方法:1996年1月から2006年5月までに,当科で肝切除術を施行した大腸癌肝転移症例42例を対象とした.結果:対象症例の肝切除後3年生存率,5年生存率はそれぞれ79.0%,72.9%であった.単発群と多発群との比較では,多発群に残肝再発が多く(P=0.04),また,術後動注療法の施行率も高かった(P=0.027).単変量解析による予後因子の検討では,片葉と両葉,残肝再発の有無,肝外再発の有無の3因子が予後規定因子として抽出された.多変量解析による予後因子の検討では,肝外再発の有無のみが独立した予後規定因子として抽出された.結論:肝切除後は肝局所だけでなく,全身化学療法を導入することで,肝外再発のコントロールをすることが重要であると考えられた.