抄録
症例は51歳,女性.2006年の検診で脾臓に6cmの大腫瘤を指摘され,当院内科へ紹介となった.腹部CT検査で脾腫と内部に不均一な造影効果不良領域を認めたが,PET/CT検査ではFDGの集積増加は軽度のみで積極的に悪性を疑う所見ではなかった.その後,外来で経過観察とし,画像検査所見上大きな変化は認められなかったが,完全には悪性を否定できず,脾臓摘出術膵尾部合併切除術を施行した.腫瘍の大部分は血管腫の所見であったが,その一部に重層化傾向を示すやや小型の内皮細胞や不規則な配列を示す内皮細胞の増生が見られ,中間悪性である血管内皮腫と診断した.術後経過は良好で術後第10病日に退院し,現在外来経過観察中で術後8カ月の時点で再発の所見を認めない.
原発性脾腫瘍は稀であり,なかでも血管内皮腫は本邦で2例の報告があるのみで,文献的考察を加えて報告する.