日本臨床外科学会雑誌
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症例
肺病変で発見された胃MALTリンパ腫の1例
矢内 勢司中井 宏治徳原 克治山道 啓吾中根 恭司權 雅憲
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キーワード: 胃癌, 胃MALTリンパ腫, 肺病変
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2009 年 70 巻 7 号 p. 1970-1974

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抄録
症例は57歳,女性.呼吸困難,全身倦怠感を主訴に近医受診.胸部X線,胸部CTで左肺に腫瘍陰影を指摘,本院に紹介された.気管支内視鏡下生検でmucosa-associated lymphoid tissue(MALT)リンパ腫と診断され,上部消化管内視鏡で胃体上部から前庭部にかけ広範なMALTリンパ腫と弓隆部に0-IIa+IIcの胃癌を認めた.病理組織学的検査でMALTリンパ腫は肺の病変と同一であり,原発不明の胃・肺MALTリンパ腫と考えられた.胃癌は中分化型腺癌であった.胃MALTリンパ腫はStageIVとなるためCHOP療法を行うこととしたが,胃癌は粘膜下層以深の浸潤が疑われることから,胃切除術を先行した.切除標本では,胃癌は深達度が固有筋層までで,リンパ節転移はなかったが,リンパ腫のリンパ節転移および著明な脈管侵襲も認めた.今回,われわれは肺病変で発見され,進行した広範な胃MALTリンパ腫に胃癌を合併した稀な症例を経験したので報告する.
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© 2009 日本臨床外科学会
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