日本臨床外科学会雑誌
Online ISSN : 1882-5133
Print ISSN : 1345-2843
ISSN-L : 1345-2843
症例
癌性髄膜炎を発症した印環細胞を主とするS状結腸粘液癌の1例
末吉 亮織畑 道宏國井 康弘片見 厚夫前川 勝治郎鎌野 俊紀斎藤 啓
著者情報
キーワード: 大腸癌, 癌性髄膜炎, 粘液癌
ジャーナル フリー

2009 年 70 巻 7 号 p. 2081-2086

詳細
抄録
症例は57歳,男性.便秘にて来院,精査でS状結腸癌と診断し,2007年11月中旬S状結腸切除術を施行,印環細胞を主とする粘液癌と診断した.術後化学療法としてUFT/LV,mFOLFOX-6,FOLFIRIを暫時施行した.2008年11月頃より頭痛,2008年12月上旬より舌のもつれと下肢筋力低下等を認めたため,当院緊急入院となった.頭部ガドリニウム造影MRI所見より癌性髄膜炎と診断した.全身状態が不良であったため,髄注化学療法や放射線療法は行えず,急速に病状が悪化,入院後12日目に死亡した.死亡後に施行した髄液細胞診は腺癌で,癌性髄膜炎と確定診断した.大腸癌を原発とする癌性髄膜炎は本邦で自験例を含め16例のみであった.低分化腺癌,特に印環細胞癌からの発症頻度が高かった.また術後全身化学療法施行例で癌性髄膜炎発症までに術後長期間経過する症例があり,全身化学療法の有用性も示唆された.
著者関連情報
© 2009 日本臨床外科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top