日本臨床外科学会雑誌
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症例
リンパ節転移,脈管侵襲ともに陰性のSM大腸癌異時性肝転移の1例
河俣 真由美永野 靖彦山本 晴美山岸 茂藤井 正一國崎 主税
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2009 年 70 巻 7 号 p. 2087-2092

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抄録
症例は55歳,男性.2005年9月,S状結腸のポリープに対してポリペクトミーを施行した.病理組織学的診断は中分化腺癌,Type0-Isp(16×13×12mm).SM(表層部から8,400um),ly0,v0,深部断端陽性(100μm(VM(+))であった.このため,同年11月,腹腔鏡補助下S状結腸切除術,D3郭清術を施行した.病理組織学的検査で癌遺残はなく,リンパ節転移も認めなかった.経過観察中の2007年5月,腹部超音波検査で肝S8に2cmの腫瘤を指摘された.画像検査所見から転移性肝癌と診断し,肝S8部分切除術を施行した.病理組織診断は,中分化腺癌で,大腸癌からの肝転移と診断した.本邦の報告では大腸SM癌の肝転移は1.2%とされ,稀である.さらに,リンパ節転移,脈管侵襲ともに陰性症例での肝転移は2例報告されるのみである.教室では1992年以降,手術を施行した大腸SM癌330例中,リンパ節転移,脈管侵襲ともに陰性の肝転移症例はこの症例のみであった.低リスクであっても画像診断などの定期的検査は必要であると考えられた.
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© 2009 日本臨床外科学会
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