日本臨床外科学会雑誌
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症例
MD-CTにより術前に診断されたWinslow孔ヘルニアの1例
阪井 満河合 庸仁仲田 和彦吉田 滋奥村 徳夫佐久間 康平
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キーワード: Winslow孔ヘルニア, MD-CT
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2009 年 70 巻 7 号 p. 2178-2181

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抄録
症例は65歳,男性.前日から持続する嘔吐と腹痛のため当院を受診された.来院時,腹部膨満を認めるも筋性防御はなく,採血上は炎症所見を認めなかった.直ちに施行されたMD-CTの矢状断および冠状断では,小腸が下大静脈と門脈との間を通って網嚢内に入り込んでいる像が確認された.腹膜刺激症状は軽度であったが,保存的治療は困難と判断され,同日緊急手術を施行した.開腹時,回腸末端から約100cm口側の小腸が40cmにわたってWinslow孔に嵌頓していた.用手的に整復し,腸管切除は必要としなかった.Winslow孔は2横指とやや開大していたが,縫縮などの処置は特に行わなかった.本症例において,MD-CTは術前診断に極めて有用であった.原因不明のイレウスの診断の際には,本症も念頭におき,画像診断を行う必要があると考えられた.
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© 2009 日本臨床外科学会
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