日本臨床外科学会雑誌
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症例
常染色体優性遺伝性多発性嚢胞腎が臍ヘルニアの増大原因であった1例
草場 隆史山口 榮一郎本庄 誠司
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2009 年 70 巻 7 号 p. 2182-2185

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抄録
症例は63歳,女性.10歳頃から臍ヘルニアを自覚するも放置していたが,50歳頃から臍ヘルニア膨隆増大傾向となり,63歳時に手術目的で近医より当科紹介となった.精査にて臍ヘルニアの増大原因は,常染色体優性遺伝性多発性嚢胞腎(Autosomal Dominant Polycystic Kidney Disease;以下ADPKDと略記する)と判明した.本症例ではヘルニアの大きさは4cm大で,嵌頓歴は認められなかった.しかし難治性であるADPKDは進行性疾患のため,今後のヘルニアの大きさの増大と嵌頓出現を危惧し臍ヘルニア根治術を施行した.術後経過は良好であった.しかしADPKDには腎臓をはじめ,その他の様々な臓器にも障害が生じる遺伝疾患であり,退院後も経過観察が重要と考えられた.ADPKDが原因となった臍ヘルニアの症例報告例は存在しなかったため,本症を報告し理解しておく必要性があると思われた.
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© 2009 日本臨床外科学会
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