日本臨床外科学会雑誌
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症例
乳癌,前立腺癌の同時性重複癌の1例
小俣 秀雄井上 慎吾井上 正行岡本 廣挙丸山 孝教藤井 秀樹
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キーワード: 男性乳癌, 前立腺癌, 粘液癌
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2009 年 70 巻 7 号 p. 2200-2205

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抄録
症例は83歳,男性.右乳房の腫瘤を自覚し当科を受診した.右乳房ACE領域に径2cmの腫瘤を触知した.乳腺エコーでは,左乳腺乳頭直下に径22mmの類円形の高エコー腫瘤を認めた.胸部CT検査では,右乳腺に一致して23mm大の境界明瞭な腫瘤が認められたが,皮膚,大胸筋への浸潤,および明らかなリンパ節転移は認められなかった.また,術前検査により,骨転移を伴う前立腺癌に罹患していることが明らかになった.右乳癌,T2N0M0,StageIIA,骨転移を伴う前立腺癌の診断で,前立腺癌に対してはホルモン療法を施行することとし,乳癌に対して胸筋温存乳房切除術を施行した.乳癌の病理診断は,粘液癌であった.ホルモン依存性癌である乳癌,前立腺癌はホルモン動態が相反する.両病変が同時に存在した場合の手術後の補助療法(内分泌療法)は,両病変が同時性に認められた報告例が少なく,治療法は確立されていない.
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© 2009 日本臨床外科学会
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