日本臨床外科学会雑誌
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症例
稀なヘルニア門を形成した内ヘルニア嵌頓の1例
後藤 哲宏有吉 明丈中尾 健太郎松井 伸朗草野 満夫
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2010 年 71 巻 1 号 p. 225-229

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抄録
症例は82歳,男性.主訴は腹痛,嘔吐.現病歴は,腹痛・嘔吐で当院内科受診した.開腹手術の既往はなく,その後,下血がみられ,緊急内視鏡検査(上部消化管内視鏡検査ならびに下部消化管内視鏡検査)施行し,小腸出血がみられた.諸検査より絞扼性イレウスを疑い,緊急開腹手術を行った.開腹所見として,Treitz靱帯から40cmから約76cmの空腸が大網と下行結腸に挟まれる形で嵌頓し絞扼壊死に陥っていた.ヘルニア門を開放し,壊死腸管を切除した.術後経過は順調であったが,退院間近に誤嚥性肺炎となり死亡した.内ヘルニアは比較的稀な疾患であり臨床的特徴所見は乏しく術前診断が困難なことが多い.本症例は正常解剖構造に嵌頓する内ヘルニアであり極めて稀な症例と考え,文献的な考察を加えて報告する.
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© 2010 日本臨床外科学会
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