日本臨床外科学会雑誌
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臨床経験
盲腸癌による成人腸重積症の6例
志田 大井上 暁真栄城 剛宮本 幸雄梅北 信孝
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2010 年 71 巻 3 号 p. 659-663

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抄録

成人腸重積症のうち結腸重積症は癌によるものが60~80%とされる.これまで本邦で約60例の盲腸癌による成人腸重積症の報告がある.今回,当科で経験した盲腸癌による腸重積症6例について報告する.平均年齢:59.2歳(36~77歳).男性3例,女性3例.手術時期としては,緊急手術2例,整復せずに待機手術1例,注腸で整復後に待機手術3例.注腸で整復していた3例以外では,開腹時に自然に整復されていた1例,術中Hutchinson手技で整復後に切除1例,整復せずに切除1例であった.総合所見としての進行度はfStageI1例,fStageII3例,fStageIIIa2例であり,全症例が無再発生存中である.腸重積合併大腸癌はその症状の強さは一様ではなく,必ずしも緊急手術を行う必要はなかった.また,待機手術を選択した場合でも,必ずしも手術前あるいは切除前に整復する必要はなかった.

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© 2010 日本臨床外科学会
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