日本臨床外科学会雑誌
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症例
髄膜炎とStreptococcus bovis菌血症を契機に発見された大腸癌の1例
高坂 佳宏村山 弘之中山 文彦河内 順
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2010 年 71 巻 3 号 p. 777-780

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抄録

症例は69歳,女性.頭痛,発熱を主訴に当院受診.項部硬直を認める以外異常な神経所見はなかったが,髄液検査にて高度の細胞数上昇を認め,髄膜炎の診断にて内科に入院し,抗菌薬治療を行った.入院時の髄液培養は陰性だったが,血液培養にてStreptococcus bovisが検出されたため,軽快退院後,消化管腫瘍精査を行ったところ,S状結腸に2型の癌を認めたため外科へ再入院し,S状結腸切除術,D3郭清を施行.病理結果は中分化腺癌,ss,ly1,v1,n1,Stage IIIaであった.本邦では,Streptococcus bovisと大腸癌との関連性の認識がまだまだ低いと考えられるため,文献的知見を加えて報告する.

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© 2010 日本臨床外科学会
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