日本臨床外科学会雑誌
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症例
下部胆管癌のPTBD穿刺ルート再発をgemcitabine療法施行後に切除した1例
村上 昌裕小林 省吾永野 浩昭武田 裕土岐 祐一郎森 正樹
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キーワード: 胆道癌, PTBD, 再発
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2010 年 71 巻 3 号 p. 807-812

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抄録

症例は75歳,男性.2005年2月に肝機能異常および下部胆管の狭窄を認め,診断目的でERCPを試みたが施行不能であったため,経皮経肝胆道ドレナージ(PTBD)を施行した後,4月下部胆管癌の診断で膵頭十二指腸切除術を施行した.2008年1月(術後32カ月目)腹部造影CT検査で前回のPTBD穿刺ルートに一致して,肝表面(S3)に再発が疑われたため,2008年2月より全身化学療法(gemcitabine)を6クール施行した.その後,他部位への転移・再発を認めず孤立性の局所再発と判断し,10月に再発腫瘍切除(肝S3亜区域切除術および腹壁合併切除)を施行した.切除標本では肝実質内に単発で白色の充実性腫瘍を認め,病理検査では前回と同様の中分化型腺癌であり,最終的に胆管癌のドレナージ部再発と診断された.下部胆管癌術後にPTBD穿刺ルートに再発し切除しえた1例を経験したので,これを報告する.

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© 2010 日本臨床外科学会
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