日本臨床外科学会雑誌
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症例
急性虫垂炎と術前診断した卵管結紮術後の卵管留水腫茎捻転の1例
佐伯 吉弘先本 秀人福田 三郎有田 道典江藤 高陽高橋 信西田 俊博
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2010 年 71 巻 4 号 p. 1047-1051

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抄録
38歳,女性.2007年1月,右下腹部痛で当院を受診した.採血で炎症所見なく他に症状もないため,鎮痛剤を処方され帰宅したが,症状が改善せず2日後,再度当院を受診した.来院時,右下腹部痛は増強し,炎症反応もWBC 10,930/μl,CRP 5.9mg/dlと上昇しており,CTで虫垂を中心とした炎症所見を認めたため,卵巣嚢腫を伴う急性虫垂炎との術前診断で緊急手術を施行した.開腹時,虫垂に腫大を認めず右卵巣に隣接して長径60mm大の嚢腫を認めた.嚢腫は卵管と連続性があり,反時計回りに540度捻転しており卵管留水腫の茎捻転と診断した.
卵管結紮術後の卵管留水腫茎捻転は術前診断が困難であり,多くは卵巣嚢腫茎捻転との術前診断がなされる.卵管結紮術後の成人女性の下腹部痛においては,卵管留水腫の茎捻転を鑑別診断の一つとして念頭に置くべきであると考えられた.
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© 2010 日本臨床外科学会
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