抄録
症例は76歳,男性.2006年6月に3型進行胃癌に対し幽門側胃切除術,D2リンパ節郭清を施行した.術後病理学的診断は,tub1,pT3,INFβ,ly2,v1,pN1,f-Stage IIIAで根治度Bの手術であった.術後補助療法としてUFT内服を2007年1月まで行いその後経過観察していたが,2007年7月のCT検査にて肝S6に2cm大の転移巣が出現した.本人の希望によりRFAを施行する方針となり,2007年9月に1回目のRFAを施行した.以後,2009年12月までに肝S4,S1,S8にそれぞれ異時性に3cm以下の転移巣が出現し,焼灼病変の再燃も含め,初回のRFAからおよそ2年3カ月の間に計6回のRFAを施行した.この間,他の遠隔転移再発は認めなかった.
自験例はshort intervalに異時性多発肝転移を認めたが,1度の転移個数は少なくかつすべて3cm以下であったことから,RFAのみで一定の治療効果が得られたものと思われる.適応によっては胃癌肝転移の局所療法として,RFAは有効な治療法の一つとなり得る可能性がある.