抄録
症例は75歳,男性.以前より胆嚢結石を指摘されていた.右季肋部痛と発熱を主訴に近医受診.胆石胆嚢炎および総胆管結石による急性閉塞性化膿性胆管炎の診断にて当科入院となった.腹部超音波検査では胆嚢壁の全周性の肥厚および底部に一部不整像を認め,CT検査では肝内胆管の拡張および総胆管内に結石を認めた.まずPTCDを行い胆嚢,胆管炎ならびに高ビリルビン血症が改善した後,腹腔鏡下胆嚢摘出術,総胆管切石術を施行した.切除標本にて胆嚢底部に腫瘍性変化を認め,病理組織検査にて腺内分泌細胞癌と診断された.追加治療として根治手術を目的に肝S4a,5切除,D2リンパ節郭清を行った.術後22カ月に多発肝転移およびリンパ節再発が出現し,術後24カ月で死亡した.胆嚢腺内分泌細胞癌は稀な疾患であり,若干の文献的考察を加え報告する.