日本臨床外科学会雑誌
Online ISSN : 1882-5133
Print ISSN : 1345-2843
ISSN-L : 1345-2843
症例
下肢静脈血栓症を伴った14kgの後腹膜脂肪肉腫の1例
岩田 英之畑中 正行鈴木 哲郎堀 義城鈴木 淳一
著者情報
ジャーナル フリー

2010 年 71 巻 7 号 p. 1892-1896

詳細
抄録
下肢静脈血栓症を伴った巨大後腹膜脂肪肉腫の1例を経験したので報告する.症例は60歳,男性.2008年2月中旬に路上で転倒し,救急車にて前医を受診,右大腿骨頸部骨折の診断で当院整形外科を紹介受診した.来院時腹部膨満が強く,腹部CT検査にて巨大後腹膜腫瘍を疑われ,その精査加療を優先して外科入院となった.精査の結果,左下肢静脈血栓症,巨大後腹膜腫瘍,左腎直接浸潤の診断となり,2008年3月下旬に下大静脈フィルターを挿入した後,手術を施行した.術中所見では腹部のほとんどを後腹膜腫瘍が占拠しており,左腎は腫瘍内に巻き込まれていたため,腫瘍摘出,左腎合併切除を施行した.腫瘍重量は14kgであった.病理組織診断では脱分化型の脂肪肉腫であった.
本邦において腫瘍重量が10kgを超えるまでに巨大化した後腹膜脂肪肉腫はまれである.本症例は左腎を巻き込み左下肢静脈血栓症を合併していたにもかかわらず,術中術後に幸いにも合併症を起こさず安全に切除することができた.
著者関連情報
© 2010 日本臨床外科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top