日本臨床外科学会雑誌
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症例
両側乳房転移を契機として発見された大腿胞巣状軟部肉腫の1例
島田 和生轟木 秀一豊福 篤志横山 庫一郎渡辺 次郎久岡 正典
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2010 年 71 巻 8 号 p. 2165-2168

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抄録
症例は33歳,女性.線維腺腫として経過観察中の右乳房の腫瘤が増大し,左乳房にも新たに腫瘤を触知したため受診した.諸検査の結果,葉状腫瘍が疑われたためwide excisionを行った.最終病理診断は胞巣状軟部肉腫の乳腺転移で,これは特有のASPL-TFE3融合遺伝子産物の発現からも確認された.以前からあった右大腿の腫瘍が原発巣と考えられたが,乳腺腫瘍摘出後に腫瘍が増大し疼痛が出現したため腫瘍切除を施行した.術後は,多発肺転移,脳転移,甲状腺転移,膵転移,左乳房皮下転移などをきたした.胞巣状軟部肉腫は主に大腿に後発する稀な腫瘍で,若年成人に多く,高率に転移をきたすが発育は比較的遅い腫瘍である.本症例のように乳腺良性腫瘍の診断でも急速増大するような場合は,原発と転移も含めて肉腫系の腫瘍の可能性も鑑別に挙げる必要があると思われた.
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© 2010 日本臨床外科学会
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