抄録
膿瘍形成性虫垂炎に対し急性期は保存的治療を選択し,炎症消退後に待機的腹腔鏡下虫垂切除術を施行している.方法:1999年より2009年まで(11年間)の膿瘍形成性虫垂炎27自験症例を検討.結果:平均発症年齢は9.0±3.1歳.初回入院時白血球数は16,766±6,502/mm3,CRPは13.1±7.2mg/dlで抗生剤投与による保存的治療を開始.初回治療中にドレナージ施行例・虫垂切除術移行例はなかった.初回入院期間は15.4±5.3日であった.虫垂切除術までの待機期間は86.1±40.3日,この間5例に再燃を認めたが保存的治療で軽快.待機手術では腹腔鏡下虫垂切除術を原則とした.切除標本で器質性変化は24例に認め,壁肥厚,筋層菲薄化,糞石残存が含まれた.結論:膿瘍消退後に手術を行えば虫垂と周囲の癒着は軽減し腹腔鏡下虫垂切除術は安全に行い得る.虫垂には高頻度に器質性変化が残存するため再燃を予防するためにも待機手術が有用である.