日本臨床外科学会雑誌
Online ISSN : 1882-5133
Print ISSN : 1345-2843
ISSN-L : 1345-2843
症例
腸回転異常症を併存したMeckel憩室炎の1例
富永 哲郎黨 和夫生田 安司柴崎 信一内藤 愼二岡 忠之
著者情報
ジャーナル フリー

2011 年 72 巻 3 号 p. 692-697

詳細
抄録
症例は40歳,女性.嘔吐と右下腹部痛が出現し,急性虫垂炎の疑いで当院に紹介入院となった.来院時WBC 14,800/μl,CRP 0.1mg/dlと炎症所見を認めるものの,腹部CTでは,明らかに腫大した虫垂は指摘できず,抗生剤による保存的治療を開始した.しかし,翌日,筋性防御が出現したため,腹部造影CTを施行し,右下腹部に腫瘍形成と腹水貯留を認めたため,緊急手術を施行した.開腹すると,回盲部は後腹膜に固定されておらず,虫垂も正常大であった.小腸は腹部右側に偏移していた.回盲弁より60cm口側にMeckel憩室を認め,腫瘍形成により右壁側腹膜に癒着していた.以上より,腸回転異常症を伴ったMeckel憩室炎と診断し,小腸切除術および予防的虫垂切除術を施行した.病理組織学的に,Meckel憩室部には,著明な循環障害による粘膜の剥離脱落と広範な腫瘍形成が認められ,わずかに残存する小腸粘膜の一部に胃粘膜から成る小領域が観察された.虫垂に著変は認められなかった.術後経過は良好で,術後18日目に退院した.
著者関連情報
© 2011 日本臨床外科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top