日本臨床外科学会雑誌
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症例
腹腔鏡下結腸切除した静脈硬化性大腸炎の1例
鷲尾 真理愛福永 正氣永仮 邦彦勝野 剛太郎橋爪 茜山本 聖一郎
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2012 年 73 巻 1 号 p. 80-86

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抄録
高齢者の腹痛,下痢,下血の原因としてしばしば遭遇する疾患として虚血性腸炎が挙げられる.われわれは類似の臨床症状を呈しつつ,静脈硬化症を主体とした比較的まれな静脈硬化性大腸炎の1切除例を経験したので報告する.症例は74歳の女性.前医で静脈硬化性大腸炎と診断され,約10年経過観察されていた.今回,下血による高度貧血および腹痛の悪化をきたし手術目的で当院紹介入院.下部消化管内視鏡検査では上行結腸から横行結腸肝彎曲部にかけて粘膜びらんを伴った狭窄を,腹部CT検査では上行結腸間膜内血管の石灰化を認めた.貧血の是正後,腹腔鏡下手術を施行した.術中,肝彎曲を中心に上行結腸,横行結腸にわたり広範囲に暗赤色調の病変を認めた.小開腹創から病変を確認.静脈硬化は中結腸動脈右枝領域まで続いていたため,右半結腸切除とした.術後は順調に経過し10日で退院.術後2年経過したが,腹部症状の再燃なく,残存腸管にも病変の出現は認めていない.
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© 2012 日本臨床外科学会
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