日本臨床外科学会雑誌
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症例
鼠径ヘルニアを契機に発見された腹膜偽粘液腫の1例
濱口 純篠原 敏樹前田 好章二川 憲昭濱田 朋倫鈴木 宏明
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2012 年 73 巻 10 号 p. 2725-2729

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抄録
腹膜偽粘液腫は原発巣の良悪性にかかわらず,粘液瘤が破綻し粘液が腹腔内に多量に貯留する病態である.今回われわれは鼠径ヘルニアを契機に発見された腹膜偽粘液腫の1症例を経験した.症例は70歳,男性.鼠径ヘルニアの手術時にヘルニア嚢内の粘液を指摘された.病理検査にて腹膜偽粘液腫の疑いとなった.精査にて回盲部の嚢胞性病変と,CEA高値を認めたため虫垂嚢胞腺癌,腹腔内穿破と診断した.手術では肥大した虫垂と粘液塊を認めた.貯留粘液を摘出した後,右半結腸切除術,右骨盤腹膜剥離,大網部分切除術を施行した.その後,大量のブドウ糖液にて腹腔内を洗浄し可及的に粘液および粘液に包まれた腫瘍細胞の除去を行った.最終的に病理診断で虫垂原発のlow grade mucinous neoplasm,disseminated peritoneal adenomucinosisの診断に至った.若干の文献的考察を加えて報告する.
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© 2012 日本臨床外科学会
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