抄録
胃結腸瘻をきたした大腸癌はまれである.今回われわれは胃結腸瘻をきたし,左横隔膜・肺浸潤をきたした横行結腸癌の1例を経験したので報告する.80歳男性,貧血にて精査目的に入院.GIFにて胃体上部大弯に潰瘍性病変を伴う粘膜下腫瘍を認めた.CFにて脾弯曲部に全周性の腫瘍を認め,生検にて高分化腺癌と診断された.胃透視・注腸にて胃結腸瘻をきたしていた.平成16年6月手術を施行.脾弯曲部の腫瘍は著明に壁外性に発育し,胃体上部大弯に浸潤し,さらに左横隔膜・左肺下葉に浸潤していた.左半結腸切除,胃部分切除,横隔膜および左肺合併切除を行いen blocに切除した.摘出標本では腫瘍径13×7.5cm大で,結腸と胃壁の間の瘻孔が確認された.病理組織検査では高分化腺癌で,胃・横隔膜・肺への直接浸潤を認めた.pSIN0cH0P0M0 fStage IIであった.再発の兆候はなかったが,術後8カ月で他病死された.