抄録
症例は42歳,男性.検診で貧血を指摘され近医を受診し,精査目的に紹介された.血液検査で軽度の貧血以外に異常を認めなかった.下部消化管内視鏡検査で虫垂開口部にポリープを認めた.生検ではgroup 2であったが,ポリープの全体像が不明瞭で内視鏡的粘膜切除は困難と判断し,腹腔鏡下盲腸部分切除を施行した.摘出標本で腫瘍は虫垂開口部から盲腸内腔に脱出しており,大きさ15×10mmの有茎性ポリープであった.病理学的には異型のない粘膜の過形成と粘膜筋板の分枝が樹枝状に増殖した所見を認め,虫垂のPeutz-Jeghers型を呈したポリープと診断された.虫垂に発生したPeutz-Jeghers型を呈するポリープは非常にまれで,本邦では8例目の報告であり,色素沈着や家族歴を伴わない症例としては,本邦で4例目の報告である.