抄録
症例は84歳,女性.上行結腸癌に対し右半結腸切除術(D3郭清)を施行した.病理検査で低分化型腺癌,se-a,ly3,v2,n2,StageIIIbであった.術後補助化学療法を施行したが,術後6カ月のCT検査で右腎門付近に径40mmのiso densityな腫瘤と近傍リンパ節腫脹,造影CTでlow to iso densityな腫瘍と腎静脈から下大静脈に連続する腫瘍栓を認めた.大腸癌の転移も否定はできなかったが,画像上は腎細胞癌の疑いで腎生検を行った.低分化な腺癌が浸潤増殖し,原発巣と類似していた.免疫染色でCDX2陽性,CK7陰性,CD10陰性であり,大腸癌の腎転移と診断された.抗癌剤治療を行うも,初回手術後1年4カ月,腎転移診断後10カ月で死亡した.大腸癌の腎転移は稀であり,IVC腫瘍栓を伴う腎転移の症例報告例は本症例が初例であり文献的考察を加え報告する.