日本臨床外科学会雑誌
Online ISSN : 1882-5133
Print ISSN : 1345-2843
ISSN-L : 1345-2843
症例
甲状腺低分化癌の4例
大場 崇旦春日 好雄原田 道彦家里 明日美伊藤 研一上原 剛
著者情報
ジャーナル フリー

2012 年 73 巻 12 号 p. 3042-3047

詳細
抄録

甲状腺低分化癌は高分化乳頭癌ないし高分化濾胞癌と未分化癌との中間的な形態像および生物学的態度を示す濾胞上皮由来の悪性腫瘍として2005年9月に出版された甲状腺癌取扱い規約第6版より独立した組織型として取り上げられている.それ以後,当科で手術を行った甲状腺癌280例のうち,低分化癌であった4例(1.4%)の臨床的検討をしたので報告する.4例中2例は術前に穿刺吸引細胞診検査で低分化癌の診断が得られた.さらに亜急性甲状腺炎を疑わせる臨床像を示し,腫瘍の急速な増大傾向を認めた.そのうち1例は早期に局所再発をきたし,9カ月で原病死し,もう1例は完全切除できなった.穿刺吸引細胞診検査で低分化癌の診断が得られなかった2例は現在再発なく経過していた.低分化癌のなかには未分化癌とほぼ同様な性質をもつものから,緩徐に進行する高分化癌に近い性質を有するものまで幅広い生物学的性質を有するものが存在すると思われた.

著者関連情報
© 2012 日本臨床外科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top