日本臨床外科学会雑誌
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症例
心肺蘇生術により胃破裂をきたした1例
松本 順彦長田 俊一菅江 貞亨長谷川 誠司小尾 芳郎阿部 哲夫
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キーワード: 心肺蘇生, 胃破裂
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2012 年 73 巻 2 号 p. 336-339

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抄録
症例:39歳,男性.心肺停止状態でプールに沈んでいるところを発見.発見者による心肺蘇生後に心拍再開.来院時,血圧255/107,脈拍137回/分,SpO2:70%,多量の口腔内出血と腹部膨満を認めた.腹部CTで腹腔内free air多量,胃管からの血性排液より,消化管穿孔と診断し緊急開腹手術施行.開腹時,小網内にair貯留を認め,胃内もairと出血が充満し拡張.食道胃接合部から胃小弯に約7cmの胃壁の裂創を認め,同部位を縫合閉鎖した.術後急性呼吸不全を合併したが,第30病日独歩退院となった.
心肺蘇生時の不適切な換気による胃拡張は,胸骨圧迫を行うことで,急激な胃内圧の上昇を引き起こし,胃破裂の危険性を高める.適切な換気と胸骨圧迫が必要であり,自己心拍再開した状態で消化管穿孔を発症した場合,胃破裂を念頭に置いて,速やかに緊急開腹手術を行うべきである.
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© 2012 日本臨床外科学会
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