日本臨床外科学会雑誌
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症例
急性壊死期に食道切除術を行った腐食性食道炎の1例
内藤 敦西山 和孝安池 純士加藤 昇
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2012 年 73 巻 2 号 p. 332-335

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抄録
症例は58歳,女性.自殺目的にアルカリ性漂白剤であるマイキッチンブリーチ500mlを服用し,当センター搬送となった.CTにて食道周囲の縦隔に広範な液体貯留と上部内視鏡検査で穿孔を疑う深い潰瘍性病変を認め,腐食性食道炎と診断した.これらの所見から食道穿孔の危険性が高いと考え,急性期における食道切除術を施行した.
術中所見では上部から中部食道周囲の縦隔に炎症性の変化を認めたが,肉眼的に明らかな穿孔は認めなかった.病理組織学的検査で粘膜全体の壊死性変化を認め,粘膜下層から固有筋層にかけての炎症の波及を認めた.
アルカリ製剤による腐食性食道炎は遅発性の穿孔を起こす場合があるが急性期の手術適応に関してのコンセンサスは得られていない.一度,穿孔を起こした場合は致命的な合併症となる為,手術時期を逸することのないように判断を行う必要がある.
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© 2012 日本臨床外科学会
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