日本臨床外科学会雑誌
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症例
消化管出血をきたした神経線維腫症1型合併小腸多発GISTの2例
桂 守弘上田 真ぐし宮城 正典
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2012 年 73 巻 2 号 p. 363-368

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抄録

消化管出血にて小腸多発GISTが診断されたvon Recklinghausen病(R病)の症例を2007年に経験した(症例1).過去の症例を調べたところ1994年に同様の症例を認めたため報告する(症例2).症例1は46歳男性,腹痛,黒色便精査で入院.大量下血あり血管造影施行した.小腸に多発性の腫瘍濃染像あり,コイル塞栓術後に小腸部分切除術施行した.症例2は62歳男性,腹部不快感精査にて入院.黒色便と貧血の進行あり血管造影施行した.十二指腸および小腸に多発性腫瘍濃染像あり,小腸部分切除施行した.選択的血管造影やIVRが診断・治療に有用であった.小腸腫瘍は共に免疫染色においてc-kit(+),CD34(+)を示しGISTと診断された.症例1ではc-kit/PDGF-Rα遺伝子変異を認めなかった.今後,R病合併GIST症例におけるc-kit overexpressionと遺伝子変異との関係解明と分子標的薬の適応を含めた治療法の理解が望まれる.

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© 2012 日本臨床外科学会
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