日本臨床外科学会雑誌
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症例
大腸癌術後膵転移の1例
金城 達也土屋 嘉昭野村 達也梨本 篤西巻 正
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2012 年 73 巻 2 号 p. 436-441

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抄録

症例は70歳,女性.2008年に他院にて上行結腸癌に対して右半結腸切除術を施行された.経過観察中,2010年にCTで3.0cm大の膵腫瘤を認めたため当院へ紹介された.腫瘍マーカーは正常範囲内で,膵腫瘍はUSでは膵頭部に内部低エコー,CTでは後期相で遅延性に造影効果を有する腫瘤像を呈し,胃後壁およびSMVへの浸潤を伴っていた.MRIではT1およびT2強調画像で低信号を呈する腫瘤であり,MRCPでは主膵管の途絶および末梢での拡張像を認めた.PET-CTでも同部位にFDGの異常集積を認めた.通常型膵癌の診断にて膵頭十二指腸切除,左腎静脈グラフトによるSMV再建術を施行した.病理組織学所見では原発巣の上行結腸癌と類似した高分化型管状腺癌であった.免疫染色ではCK7陰性,CK20陽性であり最終診断は結腸癌膵転移とされた.大腸癌膵転移の切除症例はまれであり,既報告例よりR0の切除が可能であれば通常型膵癌に準じた手術が予後に寄与すると考えられた.若干の文献的考察を含めて報告する.

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© 2012 日本臨床外科学会
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