抄録
陶器様胆嚢とは,胆嚢壁の広範な石灰化により外観および硬度が陶器様に変化した病態と定義され,胆嚢癌の合併が問題となっている.今回われわれは全体型陶器様胆嚢に対して単孔式腹腔鏡下胆嚢摘出術を行ったので文献的考察を加えて報告する.
症例は75歳女性.以前より陶器様胆嚢を指摘され経過観察されていた.右上腹部痛が頻発するようになり,手術適応とされ当科紹介となった.術前検査で癌の合併が極めて稀な全体型陶器様胆嚢と診断し,単孔式腹腔鏡下胆嚢摘出術を行った.手術時間は161分,出血量は12gであった.摘出胆嚢は病理組織学的に悪性所見を認めず,術後7日目に軽快退院した.術前検査で癌合併の極めて稀な全体型陶器様胆嚢では腹腔鏡下胆嚢摘出術の適応であり,様々な工夫を行うことで単孔式でも安全に施行可能であった.