日本臨床外科学会雑誌
Online ISSN : 1882-5133
Print ISSN : 1345-2843
ISSN-L : 1345-2843
症例
膵頭部癌術後に発症したIgG4関連硬化性胆管炎が原因と考えられる限局性肝内胆管狭窄症の1例
本田 晴康津澤 豊一川田 崇雄熊谷 嘉隆
著者情報
ジャーナル フリー

2012 年 73 巻 3 号 p. 663-667

詳細
抄録
肝内胆管狭窄は比較的稀な病態で術前の良悪性の鑑別はしばしば困難である.今回われわれが経験した症例は膵頭部癌の既往がある73歳の男性で,CA19-9が3,321U/mlと異常高値を呈し,MRIで肝左葉外側区域B2に限局した拡張があり,B2根部背側にT2強調画像で淡い高信号域が認められた.FDG-PETでも腫瘤部に一致して異常集積が認められた.肝内胆管癌が否定できず,手術(肝左葉外側区域切除)を施行したが,切除標本には悪性所見はなく,胆管壁は狭窄部拡張部ともに線維化が著明で,高度のリンパ球や形質細胞浸潤を伴う部分があり,免疫染色でIgG4陽性形質細胞が有意に出現していたことよりIgG4関連硬化性胆管炎による胆管狭窄と診断された.術後4カ月でCA19-9は正常化.術後4年現在,再燃なく経過している.肝内胆管狭窄症およびIgG4関連硬化性胆管炎の治療について文献的考察を行い報告する.
著者関連情報
© 2012 日本臨床外科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top