抄録
持続携行式腹膜透析(Continuous ambulatory peritoneal dialysis;CAPD)導入後に,しばしば鼠径ヘルニアを発症することが知られているが,その治療法や周術期の透析管理に関しては,一定の見解が得られていない.今回,CAPD導入後に鼠径ヘルニアを発症し,鼠径ヘルニア修復術を施行し治療しえた3例を経験したので,文献的考察を加え報告する.3症例はいずれも外鼠径ヘルニアであり,CAPD導入後,3週から4カ月後の発症であった.全例でmesh plug法を施行した.2例は術後に一時的な血液透析の導入を行ったが,1例は血液透析導入せず,術後2日目にCAPDを再開した.術後に,特に問題となる合併症やヘルニアの再発を認めなかった.mesh plug法はCAPD導入後鼠径ヘルニアの手術術式として有用であり,CAPD再開時期は,今回の検討では早期でも問題はなかった.