日本臨床外科学会雑誌
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症例
両側難聴をきたした乳癌髄膜癌腫症の1例
浅野 有香柏木 伸一郎高島 勉川尻 成美石川 哲郎若狭 研一平川 弘聖
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キーワード: 乳癌, 髄膜転移, 難聴
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2012 年 73 巻 4 号 p. 792-796

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抄録
乳癌の中枢神経系への転移のひとつとして髄膜播種がある.頭蓋内圧亢進症状をきたすことが多く,難聴で発見されることは極めて稀である.われわれは,両側難聴をきたした乳癌髄膜癌腫症の1例を経験したので文献的考察を加え報告する.症例は48歳の女性.左乳癌(cT2N3M0 stageIIIC)に対し,化学療法にて部分奏効が得られたために手術を行った.術後,胸壁および鎖骨上領域に対して放射線照射を行い,その後内分泌療法を開始したが,術後7カ月目に突然の両側聴力の低下をきたした.MRIにて両側内耳に播種性病変を認め,髄膜転移の疑いにて髄液細胞診を施行したところ,腺癌細胞が検出された.乳癌による髄膜癌腫症と診断し,全脳照射療を行った後,Methotrexateの髄内投与を行った.
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© 2012 日本臨床外科学会
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